2008 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア周縁地域から日本への人的移動とネットワーク形成
Project/Area Number |
20510233
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 真弓 Yamaguchi University, 人文学部, 准教授 (50230587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 一視 山口大学, 教育学部, 准教授 (80254663)
高田 峰夫 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)
三宅 博之 北九州市立大学, 法学部, 教授 (60211596)
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Keywords | 南アジア / 東アジア / 人口移動 / 語学校 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は「バングラデシュの社会経済的格差と労働移動に関する実証的研究:境界を越える人々」(文部科学省「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」)の一部として行なっている滞日バングラデシュ人調査に新たに滞日ネパール人調査を追加して発展させるもので、平成20年度はニーズ・プロジェクトの最終年度と本研究の初年度であった。 このため、研究成果として公開したものはもっぱらバングラデシュからの人口移動に関する調査で、具体的には、多数の村人を日本へ送り出している農村の世帯調査と留守宅への聞き取り調査、日本からの帰国者への聞き取り調査、日本で流通しているベンガル語のエスニックマガジンの内容分析である。このほか、在韓バングラデシュ人と在韓ネパール人に関する予備調査を行なったが、これについては成果を公表するには至っていない。 在韓ネパール人の聞き取り調査からは、韓国と日本を結ぶ政党別および民族別ネットワークの存在が確認された。これらの調査研究は、南アジアからイギリスやイスラム諸国への移動に焦点を当てた先行研究と比較することにより、南アジアから日本を含む東アジアへの人的移動の特徴を明らかにするうえで意義深いものである。また、聞き取り調査から明らかになったのは、南アジアから東アジアへの移動には、日本語学校が重要な役割を果たしていること、および、親族を中心とする地縁・血縁ネットワークが形成されていることである。ヨーロッパ諸国に植民地化されなかったがゆえに言語的に孤立している東アジア諸国への人口流入の経路として、語学校の役割の重要性は看過できないことが判明した。
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Research Products
(8 results)