2010 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア周縁地域から日本への人的移動とネットワーク形成
Project/Area Number |
20510233
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高田 峰夫 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 一視 山口大学, 教育学部, 教授 (80254663)
三宅 博之 北九州市立大学, 法学部, 教授 (60211596)
山本 真弓 山口大学, 人文学部, 准教授 (50230587)
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Keywords | 南アジア周辺地域 / 日本 / ネットワーク / ネパール人 / バングラデシュ |
Research Abstract |
本研究は近年、南アジア周縁地域からの人的移動に着目し、当該年度は特に東南アジア・東アジアにおけるネパール人とバングラデシュ人の国境を越えたネットワークを明らかにすることを目的とした。特に焦点を当てたのは、タイと韓国である。在外ネパール人協会(NRNA : Non Residential Nepalese Society)の活動に従事するバンコク在住ネパール人とのインタビューにより、その活動がネパール本国の政治と連動しつつも一定の自立性を保ちつつ、ネパール人の国境を越えたネットワークを形成していること、また、NRNAが実質的にはビジネスマンを中心とした組織で、理論的にはNRNと規定されながらも包括されにくい一例として、タイのビルマ系ネパール人の存在が明らかになった。これにより、ネパール人コミュニティーの地域的広がりだけでなく歴史的重層性にも注目すべきことが明らかになった。タイのバングラデシュ人コミュニティーについては、タイ・ムスリムとは異なる「マイノリティの中のマイノリティ」の南アジア系ムスリムとして、バンコクのバングラデシュ人コミュニティーの変貌を聞き取り調査によって明らかにした。韓国のバングラデシュ人については、多文化主義を掲げる韓国政府の政策を踏まえ、実態調査を行った。当該年度は、これまでの日本を中心としたネットワーク研究に加え、タイ、韓国を調査研究することで、空間的には、グローバル化を踏まえたより広汎な視野の考察が可能となり、また、時間的には移動の背景に踏み込んだ歴史的重層性に注目することができた。
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Research Products
(5 results)