2009 Fiscal Year Annual Research Report
DV被害者支援専門員の教育システム開発に関する研究
Project/Area Number |
20510249
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
今村 利香 Kagoshima University, 医学部, 助教 (90381186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 忠雄 鹿児島国際大学, 大学院・社会福祉学研究科, 教授 (20254568)
峰 和治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50209839)
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Keywords | Domestic Violence / 医療機関 / 福祉機関 / 母子生活支援施設 / DV被害者 / 職員教育 / エンパワーメント / eラーニング |
Research Abstract |
I.平成20年度に実施した全国郵送調査にて福祉・行政機関職員74名,医療機関職員150名から回答が得られた.そのうち,福祉・行政機関の94.6%,医療機関の92.7%でIT環境が整備され,事務運営効率化のために福祉・行政機関の54.3%,医療機関の57.3%で全部署がITでつながっていた.IT環境を整備する上で障害になるものとして,費用がかかることを挙げる職員が多かった.福祉・行政機関では64.9%,医療機関では99.3%の施設で研修会が開催されていたが職員は多忙な中で研修を受講しなくてはならず,福祉・行政機関職員の38.6%,医療機関職員の42.6%が研修に対して不満を持っていた.満足出来る研修会にするために,福祉・行政機関職員は'研修内容の充実'を,医療機関職員は'研修効果を実感できる'ことが必要だと考えていた.初期費用や機器設備維持費がかかるために,このeラーニングシステム導入率は福祉・行政機関5.4%,医療機関12%に留まっていた.DV問題に関する研修受講経験は,福祉・行政機関職員79.7%,医療機関職員46.0%であり,研修会に参加しなかった理由として'研修会が身近で開催されない'ことを挙げる人が多かった.また,関係機関職員の半数以上がeラーニングシステムを用いたDV研修の受講を希望していた.eラーニングシステムは,この問題を解決するために有効なシステムの一つであると考える.II.医療・福祉・大学職員を対象にeラーニングシステムを用いた職員教育を実施している小倉第一病院の中村先生をお招きし,勉強会『eラーニング鹿児島』を開催した.参加者とのディスカッションでは,活発な意見交換が交わされた.参加者から「今後の教育にeラーニングシステムをどう活用出来るのか考える機会になった」,「多数の協力が必要であることも検討課題である」といった意見が聞かれたほか,全体の87%がこのシステムを活用したDV研修会への参加を希望していた.
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