2008 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ労働組合における雇用均等推進に関する研究ー女性部の限界と可能性
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20510253
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
柚木 理子 Kawamura Gakuen Woman's University, 人間文化学部, 准教授 (20327216)
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Keywords | ドイツ / 労働組合運動 / ドイツ労働組合総同盟(DGB) / 労働組合女性部 / 女性団体 / 女性運動 / ジェンダー / 雇用均等 |
Research Abstract |
平成20年度においては、ドイツの雇用動向の把握と労働組合組織率並びに労働協約適用率等ドイツの労働組合をめぐる状況の把握、ドイツ労働組合総同盟(DGB)女性部の均等政策の分析のため、労働組合の一次資料の収集並びにDGB女性部幹部への聞き取り調査を中心に行なった。 労働組合組織率並びに労働協約適用率が低下する中で、ドイツ社会において「格差社会」や、「ワーキングプア」の出現が社会問題となって顕在化し、とりわけ女性はグローバル経済の負の影響を強く受けている。そのような状況下で、DGB女性部が中心となり、DGB傘下の女性部並びに労働組合の外部の女性団体と連携し、均等政策の中核となるジェンダー・ペイ・ギャップ是正のためのキャンペーン"Ich bin mehr wert"を2008年に開始した。本年度はこのキャンペーンを分析対象の中核に据え、労働組合運動と女性運動との連携に着目した新たな労働組合研究の萌芽的研究としての意義がある。DGB女性部を中心とした女性たちの運動が労働組合運動の部分的な政策課題にならず、労組本体の均等政策推進にいかなる影響を与えるのか否か、女性部の課題を含め今後さらに分析する。 本研究の中間的成果として、スペイン・マドリッド大学で行われたWomen's WorldO8で、日本の女性ユニオンと対比しつつ、DGB女性部のジェンダー政策推進の実績と課題を、タイトル"The Future of Labor Feminism in Germany and Japan"で報告した。 なお、来年度シドニーにて開催される国際労使関係学会(IIRA)への申し込みが受理され、タイトル"A New Movement to Regenerate Trade Unions in Germany--The Impacts of Women's Linkage on Trade Unions"で発表を予定している。
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Research Products
(2 results)