2010 Fiscal Year Annual Research Report
雲エアロゾル相互作用の解明にむけた雲採集装置の開発
Project/Area Number |
20519001
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松木 篤 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任助教 (90505728)
|
Keywords | 気候変動 / 気象学 / 大気現象 |
Research Abstract |
大気エアロゾルは雲が形成される際に水蒸気が凝結する核として機能し、雲の分布を変化させることで間接的に気候に影響を及ぼしている。雲の核として働くエアロゾルの形態や組成を詳しく分析するため、本研究では実際に雲の中から核となる粒子を取り出すことができる小型のCVI (Counterflow Virtual Impactor)を開発する。このミニCVIは、コストがかざみ大規模なインフラが必要となる航空機への搭載を想定したものではなく、山岳域での野外観測や人工的に雲を発生させられる雲チャンパー室内実験への応用を想定した小型のもので、完成の暁には未だ日本では稼働の実績がないCVIを使った投資対効果の高い研究の展開が具込まれる。 これまでの活動により、すでに実際の装置は組みあがり、専用ソフトウェアによる各排気、吸気流量の安定した制御も行えるようになった。これにより、小さな大気エアロゾル粒子を空気動力学的な「ふるい」で排除し、より粒径の大きな雲粒のみを選択的に引き込むことが可能になる。当該年度は室内での動作試験と並行し、人工的に雲を発生させる雲チャンバー室内実験への応用についての検討を行った。研究会等の機会を通じ、CVIおよびサンプラー(実際にCVIにより抽出された雲残渣粒子を回収するため)を、雲チャンバーに接続する方法について共同研究者らと検討を重ねた。雲チャンバー実験の実現に向けて一定の目途が立ったことから、連携研究者として新たな研究プロジェクト(科学研究費補助金基盤研究(A))の申請に参画し、これが採択されるまでに至った。現在、平成23年度以降のCVIを使った実験本格化に向け準備が進行中である。
|