2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子搖動の論理-圏論による記述:時空の起源からの考察
Project/Area Number |
20520002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中戸川 孝治 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 教授 (20237316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽部 朝男 北海道大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90180926)
新井 朝雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134807)
田中 一 北海道大学, 名誉教授 (50000716)
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Keywords | 哲学 / 部分構造論理 / 圏論 / 時空 / 宇宙物理 / 量子力学の基礎 / 量子論理 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
科学哲学の方面では、2009年6月14日午前9時30分から正午まで科学基礎論学会(大阪市立大学開催)のワークショップ「圏論の応用と哲学:研究の現状の概要と方法論的反省」を中戸川がオーガナイズし、哲学、計算機科学の基礎、量子力学の基礎との関連で研究報告と討議を行った。ハインツマンのプラグマティズム・機能主義から圏論の哲学的基礎への考察、トポスによる量子力学の基礎付け、Abramsky-Coeckeダイアグラムによる量子力学の基礎の記述、圏論的プログラミング意味論について、最新の研究成果の概要を把握し、さらに、科学基礎論の面から方法論的批判の成果が得られた。 物理学の基礎の方面では、時空の期限、宇宙の起源からのアプローチにおいて研究の進展があった。2009年7月29日-30日に北海道大学にて夏期研究会「インフレーション過程の誕生はどの程度ドラスチックか」を開催し、宇宙の起源において、量子搖動の論理が成り立つ可能性について研究報告と討議をおこなった。量子搖動の論理について得られた結果は、田中一著「量子搖動の論理-量子力学と元始量子論」(素粒子論研究117巻2号、2009年6月3頁~19頁)として発表された。 論理学の方面では、2010年2月にOxford University Computing Laboratoryより、Ross Duncan博士を招聘し、北大および数理解析研究所(京大)において、量子過程の論理について、講演が行われた。従来の量子論理とは異なる量子過程の論理の圏論的意味論と構文論について最新の研究成果が報告され、Abramskyグループの研究成果と、自然演繹による積法・加法的論理演算の構造的性質の比較検討がなされ、非可換の場合についてより詳細な検討が必要であることが判明した。 上記に言及した実績の詳細は、13.備考欄のURLによりネット公開している。
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Research Products
(10 results)