2011 Fiscal Year Annual Research Report
欧州における木彫に関する研究,及び日本の木彫表現との比較
Project/Area Number |
20520107
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大原 央聡 筑波大学, 芸術系, 准教授 (80361327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河西 栄二 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (60302402)
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Keywords | 芸術諸学 / 彫刻 / 木彫 |
Research Abstract |
本研究では欧州の木彫について調査・研究を行い、日本の木彫表現との比較を行うため、5年間の研究期間の内、4回の現地調査を予定しているが、平成23年度においては、その第4回目の現地調査として、2011年7月に3ヶ国10都市及び地域において現地調査を行った。 また、近代の日本の彫刻家においては、平櫛田中(1872-1979)について実際の作品を通して検証を行った。 ポーランド共和国ではワルシャワにおいて、ワルシャワ国立博物館、クサヴェリ・ドウンコフスキ彫刻美術館(ワルシャワ国立博物館分館)、ドイツ連邦共和国(第2回)ではデュッセルドルフにおいて、クンスト・バラスト美術館、ヴッパータールにおいて、フォン・デァ・ハイト美術館、デュイスブルクにおいてヴィルヘルム・レームブルック美術館、クレーフェにおいてムゼーウム・クーアハウス・クレーフェ、ケルンにおいて、ルートヴィヒ美術館、ヴァルラフ・リヒャルツ美術館、シュニュットゲン美術館、カールスルーエにおいて州立美術館、州立博物館、アーヘンにおいてズエルモント・ルートヴィヒ美術館、スイス連邦ではバーゼルにおいて市立美術館、チューリッヒではチューリッヒ美術館において実見調査を行った。 前述の美術館等では主にティルマン・リーメンシュナイダー(Tilman Riemenschneider 1460~1531)を中心とした後期ゴシックの木彫作品、ドイツ表現主義を代表する木彫家のエルンスト・バルラハ(Ernst Barlach 1870~1938)、第2次世界大戦前後に活躍したエヴァルド・マタレ(Ewald Matare 1887~1965)、現代の木彫家であるシュテファン・バルケンホール(Stephan Balkenhol 1957~)、画家であり木彫家でもあるゲオルグ・バゼリッツ(Georg Baselitz 1938-)、イタリアの彫刻家、マリノ・マリーニ(Marino Marini 1901-1980)、表現主義でスイスの彫刻家、ヘルマン・シェーラー(Hermann Scherer 1893-1927)などの木彫作品について調査を行った。 また、調査と併行して、研究内容のひとつである木彫に関する造形的試みについて、実際に木彫制作を通して検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5年間の研究期間の内、当初予定していた4回の海外での現地調査を今年度で全て無事終えることができた。着実に研究資料を収集することができている。国内での調査とも併せて検討を進めることができている為、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究の最終年にあたる。予定通りに、今まで蓄積・検討を加えた資料について、総合的に考察を行う。欧州における木彫と日本における木彫の比較検討を行い、自身と研究分担社による木彫制作においての造形的試みについても総合して研究成果をまとめる予定である。
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