2010 Fiscal Year Annual Research Report
古民家の土壁を活用した造形教育プログラムの開発-土壁フレスコ(仮称)技法の確立
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20520109
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
仏山 輝美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70315274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 邦廣 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20011215)
太田 圭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (80194158)
谷口 陽子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (40392550)
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Keywords | 壁画 / 土壁 / フレスコ |
Research Abstract |
今年度は特に中国と日本の障壁画にみる描画技法・素材に関する資料を収集することを主な目的として研究内容を構成した。様々な地域・時代の障壁画の実見調査によって、多様な表現内容・方法に関するデータ並びに資料を収集することができた。また、ブォン・フレスコ技法を日本式漆喰に施した場合にもカルサイトのような被膜によって顔料が画面に定着することを確認できた点や、漆喰の上に施すカゼイン下地の効果を確認できたことは大きな収穫であった。1.石窟壁画調査(中華人民共和国、新彊ウイグル自治区)【仏山】土壁に施すための描画技法・素材の資料収集を目的として、クチャ周辺の千仏洞(キジル千仏洞、クズルガハ千仏洞、クムトラ千仏洞、シムシム千仏洞、マザパハ千仏洞、テテル千仏洞)に描かれた石窟壁画を実見分析した。2.障壁画調査(京都)【仏山】土壁に施すための描画技法・素材の資料収集を目的として、寺院等の障壁画(大徳寺曝涼展、真珠庵、高桐寺曝涼展、等寺院、大覚寺、妙蓮寺収蔵庫、法然院、知恩院山門、東寺1階、ほか)を実見分析した。3.壁画制作実践【仏山、安藤】旧筑波山郵便局の壁画制作を継続し、漆喰壁面並びにカゼイン下地(漆喰の上)に壁画の制作実践を行い、制作の様子を一般公開した。4.制作した壁画の画表面分析【仏山、谷口】本研究の初年度(2008年)に日本式漆喰の上にブォン・フレスコ技法によって制作した壁画表面のカルサイト形成について調査分析を行った。5.土壁を支持体とした描画下地の素材実験【太田】土壁に胡粉を用いて下地を形成する技法素材実験を行った(継続中)。6.その他:関連資料の収集【仏山、谷口】ポンペイ展記念講演「技法から観るヨーロッパ・アジアのフレスコ画」(講師:大野彩、横浜美術館主催)、シンポジウム「四神になった動物たち-キトラ壁画が語る東アジア」(朝日新聞他主催)への聴講参加による資料収集や、その他関連する文献の収集を行った。
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