2009 Fiscal Year Annual Research Report
1960年代日本における文学概念の変容についての総合的研究
Project/Area Number |
20520152
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
押野 武志 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 准教授 (70270030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀太郎 東北工業大学, 共通教育センター, 講師 (40513065)
森岡 卓司 山形大学, 人文学部, 准教授 (70369289)
土屋 忍 武蔵野大学, 文学部, 准教授 (20302200)
野坂 昭雄 大分県立芸術文化短期大学, 国際文化学科, 准教授 (20331936)
山崎 義光 大阪府立工業高等専門学校, 総合システム学科, 准教授 (10311044)
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Keywords | サブカルチャー / メディア / 1960年代 / 1930年代 / 日本近代文学 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、日本の1960年代において、社会的・思想的・政治的な諸言説が重層的・多元的に干渉し合いながら、文学概念の編成と再編がどのように行われたのかを究明することにある。純文学/大衆文学、カルチャー/サブカルチャー、文学/政治、事実/虚構といった60年代の文学をめぐる新たな線引きと錯綜した諸言説をさまざまな領域から横断的に分析することで、1960年代の文学をめぐる歴史的な特質を総合的に明らかにする。 本年度は、初年度の研究成果を踏まえて、研究を推進していった。その一つの研究成果として、8月19、20の両日にわたって、「日本近代文学とサブカルチャーの境界」と題して、台湾の輔仁大学でのシンポジウムを開催した。本研究課題は、1960年代の日本の文学をめぐる言説を、アジア、在日、戦争、ポスト植民地主義といった問題系と1930年代のファシズムと植民地主義の時代の文学をめぐる言説と接続させることで、ナショナリズムの観念を再検討し、近代国民国家の枠組みの内部で行われてきた近代の文学・文化研究の限界を解消することも目指しており、その研究成果をアジアに向けて発信することは有意義な試みであった。
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Research Products
(9 results)