2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520176
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 孝浩 Keio University, 斯道文庫, 准教授 (20225874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 新一郎 慶應義塾大学, 斯道文庫, 教授 (50169679)
伊倉 史人 鶴見大学, 文学部, 准教授 (70386910)
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Keywords | 和歌 / 歌学歌論 / 書誌学 / 伝本研究 / 古典籍 / 日本文学 |
Research Abstract |
大量に存する歌論書歌学書伝本の山に分け入る為の枝折を作成すべく、研究初年度にあたる20年度は、研究分担者3名の他に、協力者3名を加えた6名で、代表者の所属する慶應義塾大学附属研究所斯道文庫に定期的に集合し、斯道文庫に蓄積される関連データの整理作業を行い、作品別に調査カード・マイクロフィルム及び紙焼写真等の所蔵データリストの作成を完了した。その一方で、参加者各人で交付申請書に記載した調査書目に概ね従うかたちで、原本調査の為の出張を行った。また市場に現れた関連古典籍を2点と、所蔵機関に依頼した複写資料を購入し、斯道文庫の所蔵とすることもできた。 初年度であるので準備的な作業に終始した1年であったが、佐々木と川上は歌論書歌学書と密接な関係を有する古今集注釈書について、解題付きでの影印本刊行を行うことができた。研究協力者山本令子・石神秀美による続編も近日中に出版される予定である。古今集所収歌の注解は、歌論書・歌学書に取り込まれることが少なくないので、これらの影印本は今後その問題を検討する際の基礎的な資料となることが期待できるものである。 また本年度最大の成果の一つは、歌論書歌学書を大量に所蔵しながら、殆ど専門の研究者による調査がなされていなかった所蔵先を見出し、その書誌調査を始めたことであり、次年度以降も調査を継続し、その成果を報告書の形で公表する予定である。その全貌が明らかになれば、歌論書歌学書の伝本及び内容研究の一層の進展は疑いないものと思われる。
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