2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520184
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
渋谷 香織 Komazawa Women's University, 人文学部, 教授 (10196446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 仁志 東洋大学, 文学部, 教授 (80232312)
田口 律男 龍谷大学, 経済学部, 教授 (80197251)
松村 良 駒沢女子大学, 人文学部, 講師 (00265571)
掛野 剛史 埼玉学園大学, 人間学部, 講師 (00453465)
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Keywords | 国文学 / 近・現代文学 / 表象文化 |
Research Abstract |
平成21年度は、まず横光利一の「上海」の異同表の公表関連研究を継続して行い、デジタルデータをインターネット上に公開した。その作業と並行して、1920年代から40年代の上海表象に関する資料の収集・検討を重ね、文化表象の分析を継続して行った。このような作業を踏まえて、本研究の中間報告を兼ねた研究発表会を6回行った。 横光利一の「上海」の異同表の公表関連研究については、前年度デジタル化およびデータベース化の準備を行っていた「初出」「改造社版」「書物展望社版」3種のテキストデータについて、比較対照するためのフォーマットの構築および確認作業を行ったうえで、「横光利一『上海』デジタル版」を作成し、その中で「「上海」テキスト対照表」を公開した(備考欄にURLを記載した)。 文学作品および映画における表象文化の分析作業に関しては、研究分担者、連携研究者4名が9月3日から6日まで上海での資料収集および実地調査を行い、1920年代から40年代の都市の表象がどのような形で残存しているかを確認した。さらに研究協力を依頼していた復旦大学李征氏に面会し、ディスカッションおよび共同踏査をすることで、現代中国における上海の表象文化研究についての理解を深めた。 研究発表会は、いずれも東洋大学において、5月16日、7月4日、8月28目、9月26日、11月8日、12月6日の6回行い、研究成果についての中間報告をもとに、表象文化の検討を中心にディスカッションした。12月6日には映画鑑賞を通して表象文化の検討も行った。研究発表を重ねることで、新たな資料の発見に基づく同時代コンテクストの掘り起こしを進め、従来の研究を更新するような相応の成果を得た。その一部は「横光利一研究」第8号(平成22年5月)に発表予定である。 研究に関する打ち合わせ会議も研究発表会にあわせて上記日程で行っており、3月26日にも本研究作業の遂行状況を確認すると同時に、21年度の研究成果を総括する会議を行った。
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