2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本現存『白氏文集』那波本諸本の調査収集と諸本の比較研究
Project/Area Number |
20520329
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
下定 雅弘 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (00157588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神鷹 徳治 明治大学, 文学部, 教授 (00233940)
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Keywords | 白氏文集 / 那波本 / 白居易 / 悉皆調査 / 71巻本 |
Research Abstract |
現存する那波本の全てを調査し、諸本の異同を比較研究し、影印出版するにふさわしい最善のテキストを決定することが、本研究の目的である。平成20年度には、(1)国内に20点余り存する那波本の半数を実見し、マイクロフィルム化する。(2)諸本の比較研究を進める。この2点の達成を目標としていた。(1)について。以下の8点を、実見調査した。飯田市立中央図書館蔵本(以下、蔵本を略す)、大垣市立図書館、名古屋蓬左文庫、慶応大学斯道文庫、大阪天満宮、明治大学図書館、大東文化大学図書館、天理図書館。マイクロフィルム化もしくは、写真化は、宮内庁書領部蔵本、名古屋蓬左文庫蔵本、東京国立博物館蔵本、岡山大学池田文庫本について行った。(2)諸本の比較研究は、テキストの部分(内容を含む)もしくは、関連資料についての研究は下定・神鷹ともに進めているが、諸本の校合を体系的に行う作業は平成21年度の課題となっている。なお、20年度の計画には挙げていなかったが、神鷹が那波本の元となる朝鮮版についての調査を進め、整版本については、東洋文庫蔵本・慶応大学斯道文庫蔵本・大阪府立中之島図書館蔵本を実見調査し、宮内庁書領部蔵活字本マをイクロフィルム化した。また、下定の「陶淵明「閑情賦」をどう読むか-「長恨歌」を視野に入れつつ-」「日本における白居易の研究一二〇〇六年一」「揺らぎの中の日本文化-原像・怪異・日本美術」における「長恨歌」についての研究および神鷹の「明末刊『唐詩解』所蔵の「長恨歌」本文の研究」は、いずれも、那波本の「長恨歌」本文の校勘作業に資するものである。
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Research Products
(6 results)