2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520441
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
太田 聡 Yamaguchi University, 人文学部, 教授 (40194162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 尚明 筑波大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40282264)
和田 学 山口大学, 人文学部, 准教授 (10284233)
武本 雅嗣 山口大学, 人文学部, 准教授 (10294612)
松谷 緑 山口大学, 教育学部, 教授 (70259737)
EDWARDS Nathaniel 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (50403647)
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Keywords | 時制 / アスペクト / モダリティ |
Research Abstract |
20年度における主な研究内容・成果は次の通りである。時制理論開発担当の和田尚明は、英語と同じく人称・数・法と一体化した時制屈折辞をもつ西欧諸語の時制現象の相違を「公的自己中心性」という程度概念の違いから説明した論文を刊行した。朝鮮語の時制・アスペクト研究担当の和田学は、朝鮮語の語彙的受動文の様々な変種が、項構造の違いに応じて二種類に単純化できることを主張した。また、受動文の変種は格形式のほかにアスペクトにおいても違う可能性があることを示唆した。フランス語の時制研究担当の武本雅嗣は、英語の現在分詞構文とフランス語の現在分詞構文およびジェロンディフ構文の機能と意味について考察し、現在分詞が手段よりも原因を表しやすいのは主節への従属性が低いからで、ジェロンディフが原因よりも手段を表しやすいのは主節への従属性が高いからである、という結論を得た。時制・アスペクトの文献学的研究担当の松谷緑は、特に英語の進行形に着目し、その成立の背景を踏まえて、動詞との共起関係における機能の多様性を考察した。さらに、モダリティ部門との関連において、will,mustとbe-ing形式の共起実態を調査した。英語とフランス語の仮定法の時制研究担当のNathaniel Edwardsは、英語の仮定法の起源を、時を限らないドイツ語の過去形と現在形の進化に結び付ける提案を行った。また、英独仏語の熟語表現のうち時間関係を含むものを分析して、英語の場合には「動き」に関連する熟語が多くても、独仏語の揚合には「宗教や死」につながるものが多いなどの傾向を捉えた。総括担当の太田聡は、これらの研究をまとめるとともに、過去形がなぜ丁寧さを表すことができるのかを、合成論的時制理論で捉え直すことができるかを検討した。共同研究の成果は、シンポジウム企画として学会発表を行うことを予定している。
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Research Products
(7 results)