2010 Fiscal Year Annual Research Report
外国語学習方略の脳内基盤:読解方略の意識化と指導モデルの視点から
Project/Area Number |
20520540
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
竹内 理 関西大学, 外国語学部, 教授 (40206941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 真生子 関西大学, 外国語学部, 准教授 (00425323)
水本 篤 関西大学, 外国語学部, 准教授 (80454768)
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Keywords | 外国語学習方略 / 音読 / 光トポグラフィ / NIRS / 効果量 / 検定力 / 自己調整学習 / 刺激提示のよる再生法 |
Research Abstract |
本年度は、一昨年度および昨年度の研究成果、つまりa)外国語(英語)読解時の活性化部位の特定とL1使用時とL2使用時の比較、b)外国語(英語)音読方法の違いと活性化部位の変化、c)外国語(英語)テスト解答時の活性化部位の同定を受けて、この結果をさらに詳しく分析し、3つの学会で発表するとともに、国内外のジャーナルへ2編の論文を投稿した(現在審査中;もう1編は投稿準備中)。これらの論文では、学習方略の脳内基盤がワーキングメモリ(WM)にあること、WMとの関連で、題材の認知負荷量がその活性化に向けた重要なファクターとなること、そして能力測定方法により、表面上は同一に見えても、異なる言語能力コンポーネントの活性化を測定している可能性があることを示した。加えて、モデルの構築にも力を注ぎ、研究から得られた知見を方略指導、さらにはその発展した形態である学習者指導にどのように応用するのかを、自己調整学習(Self-regulated Learning)の枠組みを援用しながらモデル化し、書籍の1章(招聘執筆)として発表した。また、研究手法についても、i)少人数サンプルの取り扱い、ii)効果量と検出力指標の活用、iii)NIRS(光トポグラフィー)などのブレイン・イメージングの手法と質的手法の効果的併用などについて知見が得られたため、この一部についても論文にまとめた。なお、本科研研究全体のまとめとして、来年度6月(国内学会)および8月(国際学会2カ所)にシンポジアムでの招聘発表を予定している。
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