2010 Fiscal Year Annual Research Report
労働のフリーエジェント化が促す地域中間労働市場形成に関する総合研究
Project/Area Number |
20520691
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
加藤 恵正 兵庫県立大学, 政策科学研究所, 教授 (80161131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 善臣 兵庫県立大学, 経営学部, 教授 (10094525)
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Keywords | マイクロ・ビジネス / 信頼 / 市場退出のマネジメント / 社会的企業 / 第三の領域 / コミュニティ・インタレスト・カンパニー / イノベーション / リスクへの挑戦 |
Research Abstract |
平成22年度における本研究では、20・21年度におけるこれまでの国内・海外調査を分析・集約し,フリーエージェント社会の台頭,地域中間労働市場の形成を核に,わが国における地域再生の基本デザインおよび具体的政策提案を行うことにある。「働く」ことや「仕事」のあり方を機軸とした地域再生策の提案は,これまでわが国において閑却されてきたアプローチであり,次世代の地域経済を考える上で大きな貢献を行うことができる。具体的には、就業実態に関わる国内先進事例調査や専門家との意見交換を行い、さらに平成20・21年度調査におけるデータ等の再点検・整理を実施した。 本年度の成果は、主としてフリーエージェント社会に向けた政策提言にある。ここでは、都市政策から雇用就業領域に関わるポイントとフリーエージェントを体現する2つのタイプのマイクロビジネス醸成について提言を行った。 1. 社会企業など新たな活動主体とのパートナーシップ形成を積極的に推進すること。 2. 社会的経済形成のために、柔軟な労働市場形成、さらには社会全体の資金分配の仕組みを再編することが喫緊の課題。 3. リスクに挑戦するフリーエージェントあるいは彼らが組成するマイクロ・ビジネスを支える仕組みが必要。 4. 情報化・グローバル化のなかで、取引リスクを最小化するための「信頼」形成のための仕組み作りが重要。 5. フリーエージェント/マイクロ・ビジネスが市場から「撤退」するする際のマネジメント支援が必要。 6. フリーエージェント/マイクロ・ビジネスを担う人材養成。日本の大学教育の抜本的改革が必要。
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