2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本と韓国における最近の少年司法政策の変化に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
20530057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
崔 鍾植 大阪商業大学, 大阪商業大学総合経営学部, 准教授 (20380652)
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Keywords | 日韓少年司法制度 / 先議制 / 少年司法における市民参加型栽判 / 日韓少年犯罪の動向 / 少年司法政策の変化 |
Research Abstract |
I. 本年度は、平成20年と平成21年度に行われた日韓比較調査研究の結果をまとめる作業を行った。 1 最近の少年非行(犯罪)の動向:日韓ともに年少少年の犯罪が最も多い。少年比は韓国の方が低い。 2 審判前段階、審判段階、処遇段階における両国の適正手続に関する比較分析:韓国は最近必要的国選補助人制度が始まり、日本の場合は審判前段階と処遇段階を強化しようとする動きがある。 3 少年司法制度における先議制に関する比較:韓国は少年法院先議制へ転換しようとする動きがある。 4 韓国の刑罰緩和傾向と日本の厳罰化傾向に関する比較分析:韓国は最近少年に対する刑事処分が急減している。 5 少年司法政策の変化:全体的に韓国は厳罰から緩和へ、日本は緩和から厳罰への変化が見られる。 II. 以上の研究活動に付け加えて、平成21年度にできなかった外国(アメリカのMultnomah County Juvenile CourtとカナダのRobson Square Provincial Court)における少年審判の参観と関係者に対するヒアリングを実施した。フランス、イギリス、アメリカ、カナダの4か国における一般市民による少年審判の参加形態に関する分析を行い、日韓両国の少年司法における望ましい市民参加の形態についてまとめた。 III. 研究成果の一部を「第4回少年非行防止政策日韓学術交流大会(2010年8月24日、韓国ソウル)」、「第371回少年法研究会(2010年10月16日、国学院大学)」、「大阪弁護士会の子どもの権利委員会及び日弁連の国選付添実現本部主催講演会」で報告を行った。 IV. 論文公刊:「日本における少年刑事事件対する裁判員裁判の動向」(『少年保護研究』、第15号、2010年12月)、「少年法院において市民参加型栽判制度に関する考察-フランスとイギリスの少年裁判を中心として-」(『少年保護研究』、第14号、2010年6月)、「韓国における少年陪審裁判の現状と課題」(『少年法の理念』、現代人文社、2010年4月)。
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Research Products
(5 results)