2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会内処遇活性化の拠点としての更生保護施設の活用の方向性に関する多角的検討
Project/Area Number |
20530059
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石川 正興 Waseda University, 法学学術院, 教授 (50120902)
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Keywords | 更生保護施設 / 社会内における施設的処遇 / 保護観察 |
Research Abstract |
平成21年度は、前年度に引き続き、更生保護施設の現状や歴史的沿革を記述した資料を収集すると共に、全国の更生保護施設・保護観察所・刑事施設等を対象とする実態調査研究(聞き取り調査・アンケート調査)を行った。特に、「刑事政策と社会福祉政策との架橋」を念頭に置き、平成21年度から全国に開所され始めた「地域生活定着支援センター」も対象として聞き取り調査を実施した。 (1)今年度は、更生保護施設に関する資料として、(1)更生保護施設検討会会議録、(2)『更生保護60年史』等を、また地域生活定着支援センターに関する資料として、(3)厚生労働科学研究「罪を犯した障がい者の地域生活支援に関する研究」、(4)地域生活定着支援センター設置関連法令等を収集し、編集作業を行うと共に検討を加えた。 (2)2010年2月24日-25日には、滋賀県内の保護観察所・更生保護施設の実態調査を実施した。とりわけ保護観察所では、地域生活定着支援センターの設置に関する聞き取り調査も行った。 (3)2010年3月2日-5日には、長崎県内の保護観察所・地域生活定着支援センター・社会福祉法人南高愛隣会及びその運営の下にある更生保護施設・刑務所の実態調査を実施した。 (4)2010年3月8日-10日には、栃木県内の保護観察所・更生保護施設・刑務所の実態調査を実施した。とりわけ保護観察所では、地域生活定着支援センターの設置に関する聞き取り調査も行った。 (5)2010年3月18日-19日には、静岡県内の保護観察所・更生保護施設・地域生活定着支援センターの実態調査を実施した。 上記各機関に対する調査は、アンケート調査及び聞き取り調査の形で実施している。アンケート調査については、事前に質問事項を各機関へ送付し、後に回答を受領する形式で行った。また、聞き取り調査については、各機関の担当者に対して聞き取りを行う形で行った。調査結果に関しては、「アンケート調査集計結果」につきExcel形式で、「聞き取り調査結果報告書」につきWord形式で、それぞれ集計・整理作業を行った。これらは全て、平成22年度末に報告書として編集し、公刊する予定である。 なお、平成21年度以来実施してきた聞き取り調査を基にして、更生保護法人更新会が年2回発行する「更新会だより」に以下の評論を発表した。 (1)石川正興「更生保護施設参観記(その1)刑事政策と社会福祉政策との架橋」(更新会だより平成21年7月号<第52号>)。 (2)宍倉悠太「更生保護施設参観記(その2)更生保護施設の現状と課題」(更新会だより平成22年1月号<第53号>)。
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