2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530067
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 裕成 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90126102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 淳一 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70190452)
畑 瑞穂 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00218471)
垣内 秀介 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 准教授 (10282534)
|
Keywords | 民事法学 / 家事審判 / 非訟事件 |
Research Abstract |
平成21年度においては、研究計画にしたがい、家事事件・非訟事件に関する日本の従来の判例・学説等の検討のほか、外国法の状況の調査・検討を継続した。 第一に、日本の非訟事件手続法の母法であるドイツ法においては、家事・非訟の分野の法改正が最近実現している。そこで、改正の背景及び経緯、新法の全体構造、新法下における手続のあり方について、新法制定後の文献なども参照しつつ包括的に検討し、とりわけ新法における「関係人」概念の内容や、関係人に対する手続保障の仕組みを明らかにした(後掲垣内秀介「ドイツにおける新たな家事事件・非訟事件手続法の制定」)。 第二に、こうしたドイツ法等に関する知見をも踏まえ、家事事件・非訟事件手続における審理の規律の中核をなす職権探知について包括的な検討を行い、事案の解明における裁判所・当事者の役割に焦点を当てつつ、その意義、射程及び限界の再定位を試みた。この点は、今後の家事事件・非訟事件手続に関する立法および運用の両面において大きな意義をもつ成果であり、次年度において論文等の形で公表することを予定している。 第三に、家事事件・非訟事件手続におけるいくつかの個別的な問題点についても、現在進行中の法改正作業を念頭に置きながら、考察を加えた。具体的には、裁判の取消し・変更の規律について、問題点を整理しつつあり得る選択肢を提示したほか(後記畑瑞穂「非訟事件における裁判の取消し・変更について」)、家事調停における合意に相当する審判の制度について、合意をした当事者による不服申立ての手続等を中心として、立法論的な提言を試みている(後掲畑瑞穂「いわゆる合意に相当する審判に対する当事者の不服申立て」)。また、同じく前年度における成果を踏まえつつ、非訟事件手続における手続保障に関する最近の最高裁判所の決定について、その問題点を指摘した(後掲垣内秀介「抗告審における手続保障と憲法32条」)。
|
Research Products
(4 results)