2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530237
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
春日 教測 近畿大学, 経営学部, 准教授 (50363461)
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Keywords | Dixit-Stigliz型効用関数 / Salop型効用関数 / 二面市場 / 多様性 / プラットフォーム |
Research Abstract |
埋没費用が存在する独占競争モデルにおいては、想定する効用関数の相違(Salop-Lerner型か、Dixit-Stigliz型か)によって、差別化の程度およびプラットフォームの運営方法に対して、影異なる結論が導かれる。 まず、Salop-Lerner型効用関数は自由参入の結果過剰な多様性をもたらすのに対し、Dixit-Stigliz型効用関数を想定した場合には参入は過小となり、結果的に多様性も過小となる。また放送事業者のような2面性をもつプラットフォームの運営方法については、Salop-Lerner型効用関数ではプラットフォーム側が管理運営の主導権を握った場合の方が過剰多様性による非効率を改善できる一方、Dixit-Stigliz型効用関数では、オープン化を行う方が過小多様性の非効率を解消し相対的に望ましい事が、理論モデルから導かれることを本研究では順を追って示した。 どちらが現実に適合するかについては極めて実証的な問題であるため、本稿では有料放送市場を一つの実例として定式化し、いずれの政策が有効かについて計量モデルによる検証を行った。 我々の推計結果から、有料放送市場についてDixit-Stigliz型の効用関数を想定することが妥当であることが示された。換言すれば、現状のプラットフォーム側が管理運営を行う形態の有料放送市場では多様性が過少になっている可能性があり、オープン化を行うことで非効率を解消でき社会厚生上の損失を一部解消できることが示された。
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Research Products
(3 results)