2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530307
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
上村 雅洋 和歌山大学, 経済学部, 教授 (00151837)
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Keywords | 近江商人 / 雇用形態 / 商家経営 |
Research Abstract |
本研究は、近江商人の特質となる雇用形態を日本的雇用慣行と関連づけ、その経営動向を踏まえて研究することにあり、地域・業種・時代などを異にする近江商人の雇用形態を具体的に分析することにあった。 そこで、平成22年度は、近江商人が出店を設けた松前・江差などの北海道を調査し、その足跡を確認し、東京都立中央図書館などの各地の図書館などで、近江商人関係の記述がある文献を検索し、関連個所をコピーしたり、多くの情報を収集したりした。特に、滋賀大学の附属史料館では、近江商人である市田家や岡田家などの史料を写真撮影した。また、近江商人と比較するために、伊勢商人の根拠地である松阪などを調査し、三井家・長谷川家・小津家や射和の国分家・富山家の屋敷跡など伊勢商人の足跡を確認し、関連の資料などを収集した。さらに、東京で「ビジネスの発展と継続事業体」の研究会にも参加し、近江商人を中心に江戸時代の継続事業体について報告し、本研究を深めるのに役立った。 このように本年度は、これまでの調査では行えなかった地域などを補足的に調査すると同時に、研究期間の最終年度に当たることもあり、これまで収集した史料の解読をはじめ、その整理や分析を重点的に実施した。さらに、それをできるだけ、論文などにまとめて活字化することで、広く研究者などへの研究成果の公開に努めた。今回その成果は、まだまだ一部であるが、今後もこの研究で収集した貴重な資料を引き継いで、新たな近江商人の研究に生かしてゆきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)