2008 Fiscal Year Annual Research Report
フランチャイズ・システムにおけるデュアル・チャネルの決定要因
Project/Area Number |
20530321
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
北島 啓嗣 Fukui Prefectural University, 経済学部, 准教授 (60398980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 准教授 (70315836)
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Keywords | 組織の経済学 / 取引費用 / 国際比較 |
Research Abstract |
本年度は、理論面の深耕および中国・韓国その他の国際比較調査・インタビューを行った。FCシステムに関する既存研究を網羅的にレビューし、その際には、経営関係の研究だけではなく、法律関連の文献、判例等も視野に入れた。これは、本部・直営店と加盟店とのトラブル、機会主義的行動を類型化し、調査に活かすためである。本年は特にコンビニエンス・ストアについて、価格決定権をフランチャイジー、フランチャイザーのどちらが担うのかについて興味深い判例が出され、この問題の分析を行った。理論面においては、特に機会主義行動への対処という側面から研究を行って来た。この内容については、5月の日本商業学会で発表の予定である。成果としては、フランチャイズ・システムが、本質的に包含する問題点が機会主義であること、そしてそれが、経年によって問題が大きくなることを示す。中国・韓国その他の国際比較調査・インタビューにおいては、各国の特に流通の環境およびフランチャイズ・システムを展開する小売業、特にコンビニエンス・ストアに焦点を当てて分析を行った。また副次的な成果として、フランチャイズ・システムが持つ機会主義を抑制する役割を果たすコンピュータ・ソフトウェア開発について資料の収集・インタビューを蓄積した。中国における成果の一部は、書籍の形で出版するとともに、日本貿易振興会の雑誌に成果を掲載した。来年度以降はこの成果を踏まえ、特に論文の形での成果発表を行っていく。
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