2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランチャイズ・システムにおけるデュアル・チャネルの決定要因
Project/Area Number |
20530321
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
北島 啓嗣 Fukui Prefectural University, 経済学部, 准教授 (60398980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 准教授 (70315836)
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Keywords | 組織の経済学 / 取引費用 / 国際比較 |
Research Abstract |
本年度は中国・札幌地区・東北地区等の企業訪問調査・インタビューを行った。 また新たな課題を発見した。それはメガ・フランチャイジーを巡る問題である。このような企業は、日本に100社近くあるといわれ、上場を果たしている企業も多い。近年その存在感は増している。従来のFCに関する理論は、加盟店を零細で経営資源の乏しいものという暗黙の前提をおいている。しかし、この前提はいま現状に突き崩されつつある。ここで問題になるのは、このようなメガ・フランチャイジー企業が、何故にFCに加盟するか、ということである。FCに加盟すれば、販売権(フランチャイズ)または商標・ノウハウの使用権等を与えられるが、その対価が必要である。売上高等の一定比率がフランチャジーからフランチャイザーにロイヤルティ(royalty)として支払われる。これらの金額は決して安くはない。これらは、上場するまでに成長した企業であり、大企業である。経営資源に乏しく、自社内でケイパビリティを蓄積することが困難な企業ではない。メガ・フランチャイジーは、何故に、FCに加盟しているのか。なぜ、自社内で、その開発を行わずに外部化し、それに大きなコストを支払っているのか。この問題の分析を行った。理論面においては、特に機会主義行動への対処という側面から研究を行ってきた。中国・韓国その他の国際比較調査・インタビューにおいては、各国の特に流通の環境およびフランチャイズ・システムを展開する小売業、特にコンビニエンス・ストアに焦点を当てて分析を行った。また副次的な成果として、フランチャイズ・システムが持つ機会主義を抑制する役割を果たすコンピュータ・ソフトウェア開発について資料の収集・インタビューを蓄積した。本年度の研究の成果の一部は書籍の形で出版するとともに、学会発表をおこなった。
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