2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530357
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
宮崎 正浩 Atomi University, マネジメント学部, 教授 (00438780)
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Keywords | 生物多様性 / CBD / 環境経営 / CSR / 社会的責任 / オフセット |
Research Abstract |
世界の主要企業を対象にその社会的責任(CSR)報告書やホームページの情報を整理するとともに、米国を中心とする生物多様性保全制度についての文献調査を行った。また、2008年5月にドイツのボンで開催された生物多様性条約(CBD)第9回締約国会議に参加し、企業が自主的に生物多様性保全に取り組むことを宣言するリーダーシップ宣言などビジネスの参加に関する議論を直接聞き、また関係者へのインタビューを行った。さらに、CSRとして生物多様性に積極的に取組んでいるいくつかの日本企業の関係者を招いた研究会を開催し、意見交換を行った。得られた成果は下記の通りである。 1.企業の生物多様性への取り組みの現状と評価:生物多様性へ与える影響は産業によって大きく異なるなるため、まずは、露天掘りが中心であるために広大な自然の土地を改変する「鉱業」を対象に分析した(この結果は環境経営学会で発表するとともに、同学会誌に投稿した)。次に、土地を改変することを主要事業とする「建設業」について日米欧の主要企業の取組みの調査を開始した。 2.生物多様性オフセットに関する研究:開発が不可避な場合には開発サイトと同等の生態系を有する代替地を保全することによって開発の影響を相殺(オフセット)する制度について、米国での事例の分析や専門家のインタビューを行い、その意義や問題点を特に法学的、経済学的な視点から考察した(この結果は、それぞれ、環境法政策学会、環境経済・政策学会で報告した)。 3.生物多様性保全と地球温暖化との関連:文献調査やCBDでの議論を基に考察し、地球温暖化対策として行うCO2吸収のための植林やバイオ燃料用の農地開発のための森林伐採が大きな問題であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)