2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530434
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
片桐 雅隆 千葉大学, 文学部, 教授 (90117937)
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Keywords | 社会学 / 社会学史 / 自己 / 個人化 / 私化 |
Research Abstract |
平成22年度の研究課題は、研究期間の最終年度に当たり、木研究(「自己論の観点からの社会学史の再構築」)の最終的なまとめをすることにある。 まとめの作業のために、同様のテーマで共同研究を進めている、オーストラリア・フリンダーズ大学のA.エリオット教授らを招き、国際的なシンポジウムを平成22年5月15日に千葉大で開催した。シンポジウムの課題は「新しい個人主義と現代日本」であり、エリオット教授の他にフリンダーズ大学の2名の研究者を招き、千葉大学、日本社会学理論学会の共催で、同学会の研究例会をかねて行われた。そこでは、本研究の全般的な課題が、日本の他の研究者の討議をふまえて検討された。 また、本研究のまとめをするに当たり、基礎的な文献の収集とその読解も平行して行われた。 それらの研究をふまえて、最終的な成果は『自己の発見-社会学史のフロンティア』というタイトルで世界思想社から、平成23年1月31日付けで刊行された。その章構成は、以下の通りである。序章-社会の発見から自己の発見へ、1章-近代的個人、2章-共同体的自己、3章-大衆、4章-対抗的アイデンティティ、5章-私化する自己、6章-再帰的自己、7章-リキッドなアイデンティティと心理化する自己、最終章-自己の発見から、再び社会の発見へ。それらの全体を通して、従来の社会学史を超えて、自己論の観点から社会学史の再構築をめざし、十分な成果が得られたと考えている。
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