2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランス語圏国際共同体と多言語・多文化社会の形成についての研究
Project/Area Number |
20530456
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
長谷川 秀樹 Yokohama National University, 教育人間科学部, 准教授 (20322026)
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Keywords | フランス / 地域語 / フランコフォニー / 共和主義 / カナダ / ケベック / フランス共和国憲法 / コルシカ |
Research Abstract |
20年度に行ったケベックの新聞Le Devoirの1968~70年までのフランス語圏共同体成立にかけての記事を購読、分析、考察の結果をまとめ、共同体成立におけるケベック州とカナダ連邦政府の対立と妥協関係について論文を執筆公表した。 同年、フランス共和国憲法が改正され、その大きな変化として、(1)これまで何ら法的地位の与えられてこなかった地域語が「国民の文化遺産」という形で規定されたこと、(2)しかしそれはフランス語と対等な公用語とするのではなく、「フランス語圏=フランス語を共有する世界との特別な関係」を規定することにより、フランス語のさらなる優位を確定するものであること、が国会議論によって確認された。この議論および思想についての分析を論文執筆し、公表した。 フランス共和主義理念とその政策、特に外交面のそれと、サンゴールら旧フランス植民地アフリカ諸国出身の政治指導者たちが1960年代以降導き、現在の国際フランス語圏共同体の理念にもなっている思想とその政策との「食い違い」について、サンゴールの著作の読み込みと、近年のフランス国会におけるフランコフォニー政策に関する議論の分析から明らかにし、これについての論文を執筆し、公表した。 補足的な資料収集とベルギーのフランコフォニーとの関係についての調査のため、鳥羽美鈴氏に代行出張依頼し、現地して資料を収集した。
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