2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530466
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
徳野 貞雄 Kumamoto University, 文学部, 教授 (40197877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 和良 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20275431)
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Keywords | 限界集落 / 他出子 / 生活サポート / 「T型集落点検」 / 都市農村交流 / 地域活性化 / 過疎化 / 少子・高齢化 |
Research Abstract |
研究代表者である徳野は、研究室の院生・学生を組織し「T型集落点検」や集落の聞き取り調査を、熊本県山都町、福岡県大木町、福岡市西区、大分県由布市などで実施した。その研究成果としては、単に、過疎農山村のみならず、平場農村(大木町)や都市近郊農村(福岡市西区)においても、急速に農業の後継者が枯渇してきており、その農業・農地維持のためには高齢化した実家の老親を、近接している都市に他出している子ども達がサポートしていることが明らかになった。すなわち「T型集落点検」は、在村者の生活構造だけでなく、他出者の生活構造をも視野に入れた分析をおこない、両者を連関させてその関係性を模索していく方法は、過疎地のみならず各地での集落維持に非常に有効であることが判明した。 また、徳野は院生や学部生とともに、熊本県水俣市の愛林館でおこなわれた『棚田の灯り』事業や、鹿児島県志布志市でおこなわれた『地域づくりフォーラム』などに参加しながら、このような地域活性化事業がどのようなサポーターによって支援されているかを検討した。さらにこれらの成果を、ソウルでの国際農村社会学会や佐渡での日本村落研究学会で、院生とともに報告した。これらの報告は、従来の「限界集落→消滅集落」という一般的な思考潮流に歯止めを掛けるとともに、限界集落状況でも再生が可能であるという事例を多く摘出した。 研究補助者の高野は、大分県日田市中津江村に入り、過疎農山村の高齢者の生活要件と福祉政策のあり方について、研究調査を続けた。
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Research Products
(6 results)