2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530466
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
徳野 貞雄 Kumamoto University, 文学部, 教授 (40197877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 和良 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20275431)
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Keywords | 過疎化 / 生活構造 / 他出子 / 集落維持 / 結婚難 / Uターン / 生活サポート / 正常生活 |
Research Abstract |
A、過疎農山村の生活構造の実態分析 福岡県星野村を軸に過疎農山村の生活構造と社会構造を[T型集落点検]により、調査した。調査の内容は、(1) 世帯構成の類型。(2) 兼業化等の就業構造。(3) 高齢者の福祉と介護.(4) 住民の生活圏と交通通手段。(5) 子ども達の教育と進路。(6) 後継者問題。(7) 結婚問題。(8) 農作業の実態と農業経営。(9) 農地保全の実態。(10) 都市他出者との関係性(居住地、距離、頻度、支援の性質など)(11) 都市農村交流事業の実施状況,(12) 最も信頼する子供の続柄などを、「T型集落点検」手法と聞き取り調査手法により実査し分析した。この調査結果は、『星野村地域社会調査』として、平成22年3月に熊本大学文学部地域社会学研究室から刊行した。本調査から得られた特筆されるべき知見としては、星野村では、30歳代男性のみならず、40歳代男性で30%、50歳代男性で20%もの未婚者が析出された。過疎農山村においては、この結婚難の問題が長期にわたり発生したため、地域社会の核となるべき40代・50代男性に「正常生活」が営めない状況が発生している。過疎農山村対策として、この結婚難問題は非常に重要度が増してきている。 B、都市他出者の実態分析 熊本県水俣市久木野地区で行われた「棚田の灯り」事業をベースに、そのサポーターとしての都市他出子を軸に、実家の農山村との関係性を実態調査した。(「他出子関係調査」)調査の内容は、他出子の(1) 年齢、(2) 職業、(3) 世帯構成、(4) 実家での続柄、(5) Uターンの意志、(6) 実家との往来頻度、(7) 農山村に対する価値観、(8) 農業に対する価値観などをアンケート法および、聞き取り調査法で実査し分析した。この他出子調査は、NHKの「ご近所の底力」に取り上げられ、宮崎県日南市の坂元集落で行った「T型集落点検」の他出子調査が、6月と11月の二度にわったって全国放映された。 C、西日本新聞、熊日、宮日などの九州各社の地方報道部と連携して、新聞記者が持っている情報 との相互交換を行うとともに、記事の掲載を行ってきた。西日本新聞では、『九州再発見旅・故郷の未来』21・6・27。『食・農・ムラ』シンポ21・10・4。宮崎日日新聞『坂元地区の集落点検』21・5・13.熊本日日新聞『壮大な混住化-合志町のまちづくり』21・5・24。などが掲載された。
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