2010 Fiscal Year Annual Research Report
AR技術と携帯電話のコラボレーションが社会に与える影響に関する社会学的研究
Project/Area Number |
20530499
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
富田 英典 関西大学, 社会学部, 教授 (50221437)
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Keywords | 複合現実感 / 拡張現実感 / 携帯電話 / AR技術 / 社会学 / モバイル |
Research Abstract |
本研究はAugmented Reality (AR)技術と携帯電話のコラボレーションが社会に与える影響について研究するものである。本年度は最終年度である3年目にあたるため、新たなデータの収集、3年間の研究成果の整理、学会での研究報告を行った。まずAR技術について、情報産業、Mixed Reality技術メーカー、携帯電話産業、携帯電話端末メーカーについての実態把握を進めた。同時にすでに商品化されているAR技術を利用したパネル調査を実施した。具体的には、AR技術を使用した電脳フィギュアの大きさとリアリティ感覚の関係に関する調査、GPSを利用したアプリによる空間イメージの変化に関する調査、HMD(頭部装着ディスプレイ:Head Mounted Display)を使用したオプティカルシースルー方式のAR立体図形と現物の立体図形に対するリアリティ感覚の比較研究を実施した。研究成果の一部は7月に情報通信学会第27回大会(於:専修大学)で報告した。携帯電話とインターネット、及びモバイルARに関する資料とデータの収集、研究動向についても整理した。3年間の研究結果として特記すべき点は、AR技術と携帯電話のコラボレーションが社会の時間と空間に関する感覚を変化させている点である。この問題は海外の研究者の間でも関心が集まっている。前述したように研究成果は学会で報告したが、この分野の研究はまだほとんどない。この3年間だけを見てもモバイルARとしてのLocation-based mobile gamesに関するサービスは予想以上の量と速さで拡大しており、その影響に関する研究が追いついていない。おそらく近い将来、都市空間や時間感覚の変化が大きな社会問題となるだろう。
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Research Products
(2 results)