2011 Fiscal Year Annual Research Report
寄せ場的労働市場の拡散と不安定就労問題に関する社会学的研究
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20530500
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| Research Institution | Hiroshima Shudo University |
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Principal Investigator |
中根 光敏 広島修道大学, 人文学部, 教授 (40212089)
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| Keywords | 寄せ場 / 労働市場 / 不安定就労 / 非正規雇用 / プレカリアート / 労働運動 / 雇用問題 / 貧困 |
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| Research Abstract |
本研究の最終年として、総括的なまとめに取り組んだ。その際、フィールド調査で得たデータを分析する理論的枠組みを検討した。寄せ場的労働市場の拡散は,正規労働者間においても経済的格差だけでなく、文化的セグリゲーションをもたらしており、非正規労働者の多くが抱えている多様な困難を社会問題として顕在化させていくためには、個人的な問題として潜在化している労働過程と生活過程の問題を質的に捉えていくことの重要性が浮かび上がってきた。つまり、寄せ場的労働市場の拡散という問題構成は、「三人に一人が非正規雇用」というような量的な状況を指摘することで不可視化されていく社会的状況に対して、質的な次元で現実を可視化していかねばならないことが明らかとなった。すなわち、ポストフォーディズム期の現代資本主義下において、労働市場のフレキシブル化が資本の要請となっているのは、消費主義のフレキシブルな需要に対応するのとパラレルに進行しており、労働/消費の場面で起こっている「労働力/消費力の再編」を社会的排除という視角で捉えていくことが、寄せ場的労働市場の拡散を明らかにすることに繋がっていくのである。
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