2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎児性水俣病の被害の多様性を踏まえた社会福祉的ケアの課題と将来への展望
Project/Area Number |
20530557
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
田尻 雅美 Kumamoto Gakuen University, 水俣学研究センター, 研究助手 (70421336)
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Keywords | 保健 / 医療 / 介護福祉 / 水俣学 |
Research Abstract |
2008年度は、水俣学現地研究センター(水俣市浜町)を研究拠点にして水俣在住の患者・患者家族、未認定患者へのコンタクトを試みた。その中でも、「光の当たらない」在宅胎児性水俣病患者へのアプローチおよび患者家族への接近を図った。 第一に、研究レビューを行い、胎児性水俣病患者のみならず、小児性水俣病患者、未認定患者へのアプローチが必要なことが明らかになった。すなわち「胎児性水俣病」と「小児性水俣病」は医学的明らかな区別はできず、また、行政認定を受けていない比較的症状の軽い人々までに視野を広げなければ胎児性患者問題の多様性と福祉的ケアの課題を焦点化が困難であろうということがはっきりした。 第二に、特にこれまで日常生活状況を知っているのは家族とごく一部の支援者にしか明かされていなかった在宅の胎児性・小児性患者の患者家族へのインタービューを開始できたことは、生活実態の明確化と福祉ニーズを把握する上で意味が大きかった。新潟に関しては、訪問調査を行い新潟独自の水俣病問題解決へ向けての施策のための資料収集などができた。また、新潟の胎児性水俣病患者F氏に長くかかわっている白梅短期大学金田教授が熊本訪問時にヒアリングを行うことができた。 第三に、「胎児性・小児性患者等の地域生活支援事業」に関して熊本県関係部局へのヒアリングを行った。制度の検証は、継続的に調査する必要があり、2009年度も詳細な調査を行う。
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Research Products
(5 results)