2009 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット上の知識共有コミュニティに関する実証的研究
Project/Area Number |
20530583
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
三浦 麻子 Kwansei Gakuin University, 文学部, 教授 (30273569)
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Keywords | 電子コミュニティ / 知識共有 / 対人コミュニケーション / テキストマイニング / 質問紙調査 |
Research Abstract |
平成21年度には以下の3点について研究を実施し,成果を得た. 1)平成20年度以来分析を進めてきたQ&Aコミュニティ参加者を対象とした質問紙調査データのうち,コミュニティ観に関する自由記述を対象としたテキストマイニングによる分析結果をまとめた学術論文が,ピアレビューによる審査を経て「社会心理学研究」第25巻に掲載された. 2)前記質問紙調査データのうち,とくに回答投稿者によるものを対象として,オンラインコミュニティでの援助行動を支える心理・社会的要因の構造を検討する分析を行った.共感性の高さがすべての回答投稿動機を高める影響力をもつことが共通していた一方で,回答投稿頻度に有意な影響を及ぼす動機づけ要因には違いが見られた.回答投稿が非常に多い,あるいは質問投稿をまったくしたことがない参加者では,回答投稿頻度を外発的動機の高さが下げ,互酬的動機の高さが上げていた.質問と回答をどちらも投稿している参加者においては,回答投稿頻度を援助的動機の高さが下げ,内発的動機の高さが上げていた.こうした成果について,国内外の2つの学会(The 6th Biennial Conference of International Academy of Intercultural Research,日本心理学会第73回大会)において報告した. 3)知識共有コミュニティのタイプ(Q&A型と百科事典型)の利用行動を比較検討するための質問紙調査を実施した.調査モニターを活用したオンライン調査により,2500件超のサンプルを得た.現在,その内容について分析を進めているところである.
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