2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代青年の友人関係・自己のありかたと社会適応に関する研究
Project/Area Number |
20530589
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡田 努 Kanazawa University, 人間科学系, 教授 (10233339)
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Keywords | 現代青年 / 友人関係 / 傷つけ合う傾向 |
Research Abstract |
本研究課題では,現代青年が傷けられることを恐れ,そのために友人を傷つけないよう配慮する傾向を明らかにすることが重要な変数と考えられている。しかし,こうした特性を測るための尺度はこれまでのところ完備されていない。よって研究実施計画に沿って,本年度は青年の友人関係に関して,相互に傷つけ合うことを避ける傾向について尺度作成と青年の実態把握を目的とした調査を行った。調査は以下の二段階に分けて実施された。 (1)大学生122名に対して,日常の友人関係において気をつける点についての自由記述を求めた。これをテキストマイニングのソフトウェアによって解析を行い,得られた文章の形態素同士の関連と学年の関係についてのコレスポンデンス分析を行った。その結果,学年の進行とともに,いったん関係性を回避する傾向から,やがて相互の相違点を認めつつ関係を持つような発達的変容が見出された。この結果は日本パーソナリティ心理学会第17回大会において発表された。 本調査によって,当初の研究計画に基づいた今後の尺度作成の基礎となる有効な資料が得られたと考えられる。 (2)上記の結果に基づいて,評定尺度形式の質問紙を作成し,高校生,大学生に対して調査を実施した(調査継続中)。この調査結果に基づき,因子分析および尺度の信頼性・妥当性を検証し,「傷つけ合うことを回避する傾向」を確定することを予定している。 本結果は日本教育心理学会第51回総会において学会発表を予定している。
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