2009 Fiscal Year Annual Research Report
線維筋痛症患者の認知行動療法による心理教育実践プログラムの開発
Project/Area Number |
20530634
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
金 外淑 University of Hyogo, 看護学部, 教授 (90331371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正人 日本大学, 医学部, 准教授(日本大学板橋病院心療内科科長) (60142501)
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Keywords | 線維筋痛症 / 疼痛 / 認知行動的介入プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は「線維筋痛症(Fibromyalgia Syndrome;以下FMS)患者への認知行動療法による心理教育実践プログラムの開発」研究の一貫として、前年度に作成されたFMS患者にみられる性格特性尺度および諸心理的指標を用い、認知的変数との関連を検討した。FMS群では生理的随伴症状の得点がより高く、特に抑うつ・不安による心理的ストレス反応の得点はコントロール群や抑うつを示した患者群より高い傾向がみられた。これらの結果をもとに、(1) 痛みに対する執着、(2) 痛みが増悪するたびに、心の葛藤が生じ、どうして自分がこのように苦しまなければならないのかという怒りなどの情緒的反応の出現、(3) 「痛みによる活動量の低下」→「何も出来なくなる行動パターン」→「絶望感」→「痛みの増悪」などの悪循環を繰り返しているメカニズムを作り、今後起こりうる行動について予測できるようにした。また、痛みの発症前後の変化を具体的に把握し、抱えている問題解決に向けた介入方略を見出し、(1) これまでの患者特有の痛みに対する問題解決の取り組み方の把握、(2) 痛みがピークになる前後の背景の環境要因、出来事と痛みに対する執着との関連を検討、(3) 痛みに対する正しい知識や否定的な考え方への教育的アプローチ、(4) 痛みによる習慣化された行動パターンに注目し、痛みが維持されている要因の手がかりとした。なお、患者のニーズや個人の学習能力に合わせて提案するために、(1) 初回面接後の準備段階、(2) 心理教育段階、(3) 環境整理段階、(4) 認知・行動変容段階、(5)自己管理の学習、(6)維持段階、(7)再発予防段階に構造化し、治療者が積極的に介入できるシステムづくりを行った。
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Research Products
(6 results)