2009 Fiscal Year Annual Research Report
失語症者の日常コミュニケーション自立度評価法の開発
Project/Area Number |
20530635
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
吉畑 博代 Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 教授 (20280208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 留美 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (10290553)
吉川 ひろみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (00191560)
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Keywords | 失語症 / コミュニケーション / 評価 |
Research Abstract |
脳血管障害に伴って生じる言語障害である失語症を評価する方法としては,既存の検査がいくつかある。しかし失語症者の日常コミュニケーションの様子を,観察によって直接に調べる検査は未だみられない。本研究では,失語症者の日常コミュニケーション自立度評価法を開発することを目的とした。 研究の1つ目として,失語症者4名を対象に,評価法開発に向けて,日常生活の中で頻度の多いコミュニケーション場面を抽出するために,半構造化面接によるインタビューを実施した。その結果,失語症者は自宅でテレビを見る,病院に行くなどのコミュニケーション場面が多く,また1人でできることでも,実際にはしていないことなどが見出された。 研究の2つ目として,1つ目のインタビュー結果や既存の検査項目を参考に「日常コミュニケーション場面評価法(仮)」を作成した。その上で,失語症者11名を対象に,作成した評価法を用いて,本学内でのコミュニケーション評価を行った。さらに「日常コミュニケーション場面評価法(仮)」の適切性を調べるために,失語症者のコミュニケーション能力や言語機能を調べる既存の検査(CADLとSLTA)を行い,あわせて,家族に対してもCADL家族質問紙を実施した。その結果,作成した評価法について,項目間の難易度の違いがあること,他の検査との相関が比較的高いことなどが明らかになり,また対象者ごとの詳細な検討によって,コミュニケーション方略のそれぞれの違いを見出すことも可能であった。 さらに研究の3つ目として,失語症者2名を対象として,日常生活中の「活動」や「参加」の実際について詳細に調べ,既存の検査との関連性などを明らかにした。
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