2009 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の工業科教員の確保・養成政策と職能形成に関する実証的研究
Project/Area Number |
20530717
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
丸山 剛史 Utsunomiya University, 教育学部, 准教授 (40365549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅康 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00253857)
三田 純義 群馬大学, 教育学部, 教授 (50280350)
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80324375)
尾高 進 工学院大学, 工学部, 准教授 (30365506)
渡部 容子 鳥取短期大学, 幼児教育保育学科, 教授 (10259559)
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Keywords | 教師教育 / 工業科教員 / 大学における教員養成 / 教員養成カリキュラム |
Research Abstract |
平成21年度は、(1)工学部工業教員養成課程および国立工業教員養成所に関する基礎資料を収集し、工学部工業教員養成課程における工業科教員養成および国立工業教員養成所の設置過程に関して検討すること、(2)着目すべき教育実践を行った工業科教員への職能形成に関する聞き取り調査を行うことを目標としていた。本年度は、前者の課題について検討が進み、後者の課題については着手し始めたが、分析が十分ではない。ここでは前者の課題について、検討結果を記述することとする。検討を進めた結果、次のことが明らかになった。 第一に、工学部工業教員養成課程について、工業科教員養成への取り組み方により、いくつかのタイプに分けられると考えられることである。具体的には、大学側に工業科教員養成を行う意思があったか否か、制度改善を行ったか否か等により分類が可能と思われる。特に、工業科教員養成に責任をもつスタッフ・組織の有無が分析視点の一つになると考えられた。 第二に、国立工業教員養成所の設置について、新資料により、同養成所設置に際しては、工学部工業教員養成課程設置経緯や個別大学の工業科教員養成の課題は検討されておらず、その意味で同養成所は、幾重にも問題を孕む制度であったということである。従来は、「大学における教員養成」原則を初めて破ったことが着目されてきたが、新資料により、養成所設置に際して工学部工業教員養成課程の設置・運営上の課題は検討されないまま、設置に向けた文部省と関係大学との間で協議が進められていたことが明らかになった。これまでの経緯等がふまえられていない点に、それまでの工業科教員養成政策との断絶を見いだすことができ、新たな論点があることが明らかになってきた。
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Research Products
(1 results)