2009 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設児の生活と発達に応じた「子どもの権利」教育用教材・指導評価法の開発
Project/Area Number |
20530731
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田丸 敏高 Tottori University, 地域学部, 教授 (30179890)
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Keywords | 児童養護 / 子どもの権利 |
Research Abstract |
今年度は、児童養護施設児の生活と発達に応じた「子どもの権利」教育用教材・指導評価法の開発を目指した研究の2年目として、これまで行ってきた児童養護施設入所児童調査および職員調査の結果について分析し、教材開発の方向性および評価の視点を明らかにしてきた。その際、大学研究者と児童養護施設職員との議論を重視し、双方数名ずつ集まる形態の例会を毎月1回もって、収集したデータを多角的に検討してきた。また、県内5箇所ある各施設の生活形態それぞれの特徴やそこで生じる「子どもの権利」問題や「子どもの不安」についても検討してきた。 その結果、児童養護施設においては、たんに「子どもの権利」についてわかりやすく説明したテキストが求められているのではなく、職員と子どもたちとが対話したり、相談したりしながら、ともに「子どもの権利」について理解し合えるような教材が求められていることが判明した。前者は大人が子どもに「子どもの権利」について正しい理解を教えようとするものであり、児童養護施設に即したものとなりにくい。これに対して、後者は子どもの生活場面を取り上げることになる。そうした教材は、子ども権利条約の条項から抽出したものというより、子どもの生活場面、とりわけ入所したことに直面するさまざまな葛藤場面(たとえば、夕食で嫌いな食べ物が出てきたときにはどうすればよいのか等々)が取り上げられ、子ども職員双方が生活について再検討する機会をもたらす可能性がある。 こうしたことから、クレイアニメと絵本という2つの教材づくりを目指し、予備調査の課題を検討した。
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