2010 Fiscal Year Annual Research Report
女性労働運動における「実践を語るプロジェクト」-労働組合スタッフの力量形成-
Project/Area Number |
20530753
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
平川 景子 明治大学, 文学部, 准教授 (40318663)
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Keywords | 社会教育 / 学習支援 / ジェンダー / 労働教育 / ふり返り |
Research Abstract |
本研究では、「実践を語る・聴くプロジェクト」として5回にわたり「フォーラム女性と労働」を実施した。第1~4回は、働く女性の全国センター(ACW2)と共催で、東京・名古屋・札幌・大阪で開催した。「フォーラム女性と労働」の基本的な設定は、参加者が5~6人の小グループに分かれて、それぞれのグループで報告者のあゆみをじっくりと聴く、ということであった。 各地で開催したことでそれぞれの地域の取り組みや活動しているメンバーの具体的な姿が語られ、さらにそれを聴き取ることで自分たちの取り組みを意識していくこととなった。一方で、記録づくりなど持続的な関係の深まりが必要になることがあり、全国的なネットワークの中で十分に対応できなかった現実があった。第5回は東京近郊の有志で実施することとしたが、このとき、働く女性が集う場の継続が必要であることを確認し、今後何らかの方法で継続的な活動を行うことなどを話し合った。今後の取り組みについては、他日を期したい。 また、本研究において「フォーラム女性と労働」の実施以外に、実践のふり返りをつうじて力量形成をしている、京都市青少年活動センター・福井市立至民中学を訪問し、調査を行った。 実践のふり返りを通してスタッフの力量形成をめざす「フォーラム女性と労働」のような取り組みは、社会教育職員の力量形成をめざす動きに学んで、労働組合のスタッフを学習支援者ととらえ、その力量形成をめざすものである。職場でも、労働組合でも、研修等の機会を得にくい女性にとって、自分のあゆみを語ることは自らの職業・労働の意味をとらえなおしていくことであり、また仲間の組合員の活動を支えるとはどういうことかをふり返る意味をもつものと考えられる。
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