2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530755
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Research Institution | Hamamatsu Gakuin University |
Principal Investigator |
三輪 千明 Hamamatsu Gakuin University, 現代コミュニケーション学部, 准教授 (00345852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 公博 浜松学院大学, 現代コミュニケーション学部, 准教授 (30310551)
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Keywords | 就学準備 / 幼児 / ニューカマー / 日系南米人 |
Research Abstract |
就学準備に関する文献・資料を収集し、就学準備の定義や評価ツールの比較検討ならびに就学準備向上のための具体策について、海外の事例を中心に分析を行った。たとえば、身体的発達や情緒的・社会的発達、認知能力や言語能力の発達についてはいずれの国でも就学準備の重要な局面とされていたが、道徳性や創造性、学習に対するアプローチなどを就学準備の一部と捉えるのかには違いが見られた。また、諸外国では個々の子どもや地域レベルで就学前幼児の就学準備を測定し、指標化を進めて、保育評価や保育実践の改善につなげており、特に言語能力や数的認識については日本の保育指針などに示されているものよりもより高い能力を評価項目に含めていた。こうした文献調査の結果は、本研究の今後の調査内容を方向付けるため、初年度の成果として重要である。また、教育委員会や公立小学校、外国人幼児の多く通う保育所などを訪問し、関係者との面談を通して、日系南米人幼児の就学準備に関する意見聴取を行った。同時に、外国人就学前児童向け就学支援プログラムにも参加し、学校環境における外国人児童の自然観察を行った。何を就学準備ととらえるのかの違いには、所属機関の目的や機能の違いも影響しているようであった。こうした調査は来年度も継続していく。さらに、外国人幼児の就園状況については、外国語や日本語の質問票を作成し、外国人集住地域にある関係機関に協力依頼したが、経済危機によって日系南米人を取り巻く状況が急変するなかで十分なデータを収集することが困難であった。そのため、来年度は外国人児童の多く通う小学校数校の協力を得て、保護者対象の調査も行う予定である。
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