2009 Fiscal Year Annual Research Report
美術教育における単元の組織化と展開に関する多様性の研究
Project/Area Number |
20530805
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
山田 一美 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (80210441)
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Keywords | 美術教育 / プログラム開発 / カリキュラム論 / プロジェクト型授業構成 / 五感・身体論 / ワークショップ型授業構成法 |
Research Abstract |
初学者や初任者が授業づくりにおいて理解しにくい教育プログラムを取り上げ、その単元(題材・教育プログラム)の構成法の特徴を分析し、能力・学力形成との観点から、図画工作・美術科の授業づくりの理論的根拠を提示してきた。方法として、多様な構成法を便宜的に7群に分け、分析・考察してきた。本年度は、ワークショップとプロジェクト等を取り上げ、文献・資料研究のほか、第3群以降の構成法については、次期研究構想のなかで検討していく。成果として、ワークショップとプロジェクトについて、今日的な美術動向と美術館教育普及等の社会教育、学校内授業がリンクし、新たな活動形態が提案されている現状を捉えることができた。 「ワークショップ」は「体験・参加型学習」といわれ、その構成法は自己形成・成長、エコロジーや環境教育、こころとからだ、心理学、合意形成、ビジネスでの問題解決技法など、「包括的な方法」となる。さらには、身体や感性(感情、情動)、グループ間での対人関係、霊/精神性(スピリチュアリティ)の諸側面までを重視することもある。美術教育実践ではアート・ワークショップとして扱われている。「プロジェクト」は1930年代の活動主義運動、1940年代の生活適応教育運動へと展開し、戦後には「プロジェクト」を冠した教科統合の原理や、1980年代以降のコンピュータや情報テクノロジーが高度に発達した「ポスト産業社会」の可能性と緊要性に応えた「学習者主導のプロジェクト」など、思考と感情、観念と行為、個人と社会という二項対照的な要素を包括的に含み容れて展開された。こうした多様な学習が包含された美術教育の実践にみる構成法は、アート・プロジェクトとして展開され、「教育美術」や「美育文化」に具体例を見出される。
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Research Products
(3 results)