2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530822
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
宮下 俊也 奈良教育大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50314521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 信彦 国立教育政策研究所, 教育課程調査官 (20370083)
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Keywords | 音楽科教育 / 音楽鑑賞 / 批評 / 中学校音楽 / ソウル・アジェンダ |
Research Abstract |
平成22年度は本研究の最終年度として、本研究の最終目的である「批評能力育成プログラム(中学校版)を完成させた。それは『批評を取り入れた新しい音楽鑑賞授業のためのガイドブック(中学校編)-見つけ、考え、生み出し、拡げる、楽しい鑑賞』と命名し、本研究の全体を報告する『報告成果書』(全270頁)の第2部(全137頁)として収めた。 『ガイドブック』には、前年度までに行った「批評」「音楽鑑賞」等の概念研究、米国カリフォルニア州カリキュラムとの比較研究、世界の芸術教育の指針を示したユネスコによる「ソウル・アジェンダ」の分析等を踏まえ、研究代表者と研究協力者によって開発した22事例を掲載している。またそれらは、研究分担者によって新学習指導要領との適応性を厳しくチェックし、試行を重ねて得られたものである。 22事例は「ステージ1」と「ステージ2」に分類され、ステージ1は、音楽鑑賞学習における批評の思考を重視したもの、ステージ2は、鑑賞学習によって行われた批評の結果を作曲家・演奏者、生徒の保護者、他の鑑賞者等に発信し、中学生によって新しい音楽文化の創造を担っていくことを求めるものとなっている。またそれに加えて、例えば「カンボジア難民の子どもの歌」を鑑賞した後にカンボジアを支援するNPO法人に批評文を発信するような、世界平和への貢献に寄与する鑑賞学習の事例も含んでいる。 このガイドブックは全国都道府県と政令指定都市の教育研究センター(教育研究所)、全国国立大学教育学部附属中学校等、計150団体に送付し、公表に努めた。今後は全国におけるそれらの実践と検証が求められる。
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