2008 Fiscal Year Annual Research Report
行動障害を示す発達障害児童への対応に焦点を当てた教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
20530877
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野呂 文行 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30272149)
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Keywords | 全校支援 / 教員研修 / グラフ・フィードバック |
Research Abstract |
今年度は、ひとつの小学校を研究対象として、在籍する全校児童の挨拶行動に関する介入を、教師に対する研修プログラムに基づいて実施し、その効果を検討することを目的とした研究を実施した。対象小学校は、全校児童が300名程度の学校であり、各学年(6学年)2学級ずつで構成されていた。全校児童の挨拶行動について、(1)挨拶をしない児童が多い、(2)挨拶をしても教師の方に顔を向けない、(3)声が小さくて聞こえない、などの課題があるということが校長\教頭等の教師から報告があった。支援プログラムにおける独立変数は、全学級において、担任教師から、1)正しい挨拶の定義(声の大きさや顔を見ることなど)について、2)挨拶のよい例\よくない例の提示、3)挨拶に関するロールプレイ、を朝の会に実施するよう依頼した。また、毎朝、朝の会において、児童に対して「今日、挨拶をした人」という問いかけをし、そのときに手を挙げた人数を、折れ線グラフで教室内に掲示する「グラフ\フィードバック」の手続きも導入した。従属変数としては、週3回、登校時間において、校門前での児童の様子をビデオカメラにより撮影記録を行った。そして、その記録を元に、挨拶をした人数を把握した。この結果、全校の教員に対する挨拶促進のための手続きの教示が、児童の挨拶行動の促進に効果があったことが示された。校門での挨拶に加えて、教室に入るときの挨拶を記録しグラフ・フィードバック手続きを応用するなど、研修で取り上げた支援手続きの適用範囲を拡大する教師も観察された。独立変数間の相互作用に関する問題や従属変数の測定方法の問題等が課題として残った。
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