2009 Fiscal Year Annual Research Report
行動障害を示す発達障害児童への対応に焦点を当てた教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
20530877
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野呂 文行 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30272149)
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Keywords | 保育士研修 / 行動障害 |
Research Abstract |
研究目的:本年度は、保育園での保育士に対する研修に焦点を当てて研究を行った。行動障害を示す幼児への支援計画の立案に関して、保育士への研修ならびに療育専門機関との協働的アプローチの有効性について検討することを目的とした。研究方法:保育園2園、保育士4名、幼児9名、療育専門機関の職員2名が本研究に参加した。保育園において「ルールのある遊び」を社会的スキル指導の機会として位置づけて、週1回、その実施を保育園に要請した。さらに情報共有シートを作成し、保育士に対して、遊びの指導時の様子を記録するように依頼した。保育士によって記録された情報共有シートは、地域の療育専門機関へとイントラネットを通じて送付された。その記録に対する助言やフィードバックが、療育専門機関から保育士へと送付された。そして、その助言に基づく支援を保育士が実施した。従属変数としては、「療育専門機関の職員から助言内容の変化」「保育士のアドバイス実行数」「対象幼児の行動変化」とした。研究結果:療育機関の職員からのアドバイスのうち、保育士によって実行されたアドバイスは、33種類中22種類であった。クラス全体に対する支援と個別幼児に対する支援は同種類(11種類ずつ)であった。また実行されたアドバイス内容は、22種類中20種類が他の場面や他の幼児に対して応用されていた。また、アドバイスに沿って実行された支援のうち、実際に幼児の行動変化に影響を与えたものは、76.1%であった。参加者に対する社会的妥当性調査では、一定の効果を確認できた一方で、実行に対する負担感などの課題が示された。
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