2010 Fiscal Year Annual Research Report
行動障害を示す発達障害児童への対応に焦点を当てた教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
20530877
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野呂 文行 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30272149)
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Keywords | 教育研修 / 行動障害 |
Research Abstract |
研究目的:現在、特別支援教育において行われている教員研修プログラムは、1回数時間という限られた時間の中で、主として知識を身につけることを目的として実施されることが多い。またその研修内容が、実際の指導場面において活用されているか、さらに幼児児童の行動上の問題の改善という成果に結びついているかどうかが、評価されていない。本研究においては、保育者を対象に4日間の研修プログラムを実施し、対象保育者が担当している幼児の行動上の問題の低減に効果をもつかどうかを行動観察によって実証することを目的とした。さらに、単なる知識教授型ではなく、対象幼児の行動記録とその記録に基づく支援方法の検討を含むPDCAサイクルを循環させるスキルの教授を目的とした研修プログラムの実施の効果を検討することを目的とした。研究方法:対象者は、保育者18名(幼稚園教諭4名、保育所保育士14名)であった。その保育者の担当する幼児のうち、研究協力を得られた5名を対象とした。約1ヶ月に1回2時間、計4回のプログラムを実施した。研修期間中に参加者は、担当する子どもの様子を記録し、その記録をもとに支援計画書を作成した。その後、支援計画に沿った実践と記録を行い、実践の記録は研修実施者にFAXで送付した。研修実施者はFAXにてフィードバックした。従属変数としては、研修参加前と後に、保育者効力感、ストレス、保育者の支援計画、園での保育者の支援行動の変化、子どもの変化をアンケートにより評価する。また研修プログラムの社会的妥当性の評価をおこなう。また、研究者が直接園に出向き、保育者及び幼児の行動観察を行うことで、研修期間中の保育者の実践経過を評価した。研究結果:研修参加した保育者において、支援プログラムを自ら作成する行動が観察された。さらに、保育中の行動観察を通じて、保育者の支援行動の改善と対象幼児の行動改善が観察された。
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Research Products
(7 results)