2010 Fiscal Year Annual Research Report
有限群のfusion systemとコホモロジーの研究
Project/Area Number |
20540001
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
奥山 哲郎 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60128733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 雅士 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80169888)
八ツ井 智章 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00261371)
居相 真一郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50333125)
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Keywords | 有限群の表現論 / 群のコホモロジー |
Research Abstract |
本計画において、有限群のブロック理論におけるブロック間の森田同値性、導来同値性について、ブロックの共有するコホモロジー的性質の考察を通して研究をすすめた。22年度においては特に、不足群がM_n(p)の場合の研究に取り組み、次の研究成果を得た。 1.p-群M_n(p)の群多元環の生成元、関係式はすでに知られているが、その自己同型群による拡大の群多元環のそれを決定し、より利用しやすい形で与えた。Richardのtilting操作においては、適当なホモロジー加群が現れる複体の構成が重要である。自明な加群の射影被覆や、傾斜複体の候補となる複体を構成した。 2.M_n(p)を不足群にもつ主ブロックの例は、Sylow-p部分群が巡回群である群のC_pによる拡大の形の群に現れる。Inertial指数が小さい場合の例であるGL (2,q^p)、GU(3,q^<2p>)のガロア群(位数pの巡回群)による拡大の群を考察した。ただし、pは前者ではq+1の、後者ではq^2-q+1の素因子である。Brauer対応ブロックとの安定的森田同値を具体的に構成し、単純加群の対応子の構造を決定した。導来同値性を与える傾斜複体の構成にひきつづき取り組みたい。 3.ブロックのCartan行列の固有値の整数性の問題にも取り組み、和田-清田の問題を部分的に解決した。また、その中で生じた対称群の2-モジュラー既約表現の次数についての問題に取り組んだ。対称群の2-ブロックは唯一の高さOの既約表現をもつことを証明した。これはFongの非自明な自己双対的既約表現の次数は偶数である定理の興味深い拡張といえる。
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Research Products
(3 results)