2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子群の幾何学的研究およびその多元環の表現論への応用
Project/Area Number |
20540009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 義久 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (20294522)
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Keywords | 量子群 / 結晶基底 |
Research Abstract |
本年度は主に次の3つのテーマを中心に研究を行った。 (1)結晶基底の幾何学的理論とそれに付随する組み合わせ論:昨年度に引き続き、アフィン・グラスマン多様体の幾何学に起源を持つMirkovic-Vilonen凸多面体による結晶基底の実現と、Young図形による結晶基底の実現との関係を調べ、両者を結ぶ明示的変換公式を得た。さらに、この公式から超離散可積分系との関係も明らかになりつつある。次年度以降も引き続き同様の方向で研究を進めていく予定である。これらの成果に関しては8月(北海道)および、3月(京都)の研究集会で口頭発表を行った。また、現在論文を執筆中である。 (2)Hecke代数の表現論への応用:これは当初計画において,計画が予定通りに進まなかった場合の対策として考えていたテーマであったが,筆者が研究分担者として参加している「古典可積分系と量子可積分系の接点の探求」(研究代表者:筧三郎)の研究の中で急速に議論が進んだ。次年度以降も今年度と同様の方向で研究を行っていきたい. (3)多元環の表現論との関係:qが1の冪根の場合の量子群の表現のなす圏のテンソル圏の構造について調べた.この場合,対応する量子群は有限次元代数であり,有限次元多元環の表現論における既知の結果を用いて,直既約表現同士のテンソル積の直既約分解を完全に決定した.この結果は対数的共形場理論に応用があることが知られている,この研究成果に関しては、9月(ソウル)の研究集会で口頭発表を行った。さらに現在学術雑誌に成果をまとめた論文を投稿中である。
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Research Products
(7 results)