2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540048
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
藤本 圭男 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90192731)
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Keywords | 代数学 / 幾何学 / 代数幾何学 / 複素多様体論 / 自己準同型写像 / 楕円ファイバー空間 |
Research Abstract |
本研究の目的は同型でない(つまり、非自明な)自己準同型写像を数多く持つ射影代数多様体Xの構造を、代数多様体の分類論の視点から解明することである。我々の研究対象は複素力学系のように写像でなく、多様体の構造そのものである。それは、アーベル多様体やトーリック多様体を含むクラスであり、非常に簡明な構造を持つと予期できる。 今年度も小平次元が負の3次元射影代数多様体Xで非自明なエタール自己準同型写像を持つクラスの研究を継続した。難点は端射線の収縮写像が双有理写像ならば、端射線が写像の反復合成で保存されず、極小モデルプログラムが自己準同型写像の範疇で機能しないことである。(Rを非自明な自己準同型写像f : X→Xを持つ射影代数多様体X上の端射線で、収縮写像が双有理でない(即ち、Xより次元の低い多様体の上の森ファイバー空間の構造を持つ)と仮定する。このとき、Rはfの適当な反復合成の下で保存されることは中山昇氏(数理研)との共著論文で示していた。そこで、極小モデルプログラムを非同型な不分岐被覆の無限降下列を持つ代数多様体多様体の範疇で機能させ、その構造を大雑把に解析した上で、個別に個々の多様体Xの構造を調べるという方法を採用した。この結果、ほとんどの場合に極小モデル理論は自己同型写像との合成の下で、自己準同型写像のカテゴリー内で機能することが判明した。Xが楕円繊維曲面の上のコニック束の爆発から得られる場合、底曲面の可能性を絞り込むことが最大の難点であったが、22年度の研究により解決し、Xの候補の絞込みにはほぼ成功した。現在、成果を論文にまとめている。
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Research Products
(2 results)