2008 Fiscal Year Annual Research Report
長時間リスク鋭感的ポートフォリオ最適化の非標準的設定への応用
Project/Area Number |
20540115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関根 順 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (50314399)
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Keywords | 長時間ポートフォリオ最適化 / リスク鋭感的制御 / 床制約 / ポートフォリオインシュランス / アメリカ型OBPI / ダイナミックプロテクション |
Research Abstract |
長時間リスク鋭感的ポートフォリオ最適化を床制約を設けて考察し、以下の成果を得た: (1)一般の非完備な市場モデルの中で、CPPI (Constant Proportion Portfolio Insurance)を発展させた戦略を2つ提唱し、これが最適戦略であることを示した。(2)完備な市場モデルの中で、OBPI (Option Based Portfolio Insurance)の考え方を発展させた戦略を2つとDFP (Dynamic Fund Protection)の考え方を発展させた戦略を提示し、これらも最適戦略であることを示した。(3)非完備市場モデルの例として線形・双線形型モデルを挙げ、上記(1)で提示した最適運用戦略を明示的に計算した。(4)完備市場モデルの例として決定的なマーケット市場価格と独立な確率金利を持つモデルを挙げ、上記(2)で提示した最適運用戦略を全て明示的に計算した。床制約下でのポートフォリオ最適化に関する既存の結果は極めて限られていたので、今回の長時間リスク鋭感的指標の元でこれを統一的に解決したことは興味深い結果と考えられる。また、今回の成果は今まで提唱されてきた種々のポートフォリオインシュランス戦略の有効性・最適性を示唆するものでありこの点も興味深い知見である。一方で、長時間リスク鋭感的指標の弱点・限界も指摘しており、これは新たな問題提起と解釈されるべきものである。
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Research Products
(10 results)