2009 Fiscal Year Annual Research Report
長時間リスク鋭感的ポートフォリオ最適化の非標準的設定への応用
Project/Area Number |
20540115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関根 順 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (50314399)
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Keywords | 長時間最適投資問題 / リスク鋭感的制御 / 大偏差制御 / 最大値過程 / 最適停止問題 / 確率フィルタリング / Information-based asset pricin |
Research Abstract |
1.長時間大偏差制御に関する別解法を考察した。すなわち、最初に有限期間の確率最大化・最小化問題を凸双対法で解き、次にこの長時間漸近挙動を解析することで大偏差制御問題に関する解を得る解法である。HJB方程式の解析を必要としないため、非マルコフ的なモデルにも対応可能な手法となっている。更に、この手法を用いると最適化された大偏差確率の精密評価も可能となる利点がある。(現在論文準備中) 2.動的なファンドプロテクション問題をベイズ的設定下で成長率最大ファンドに対して適用し、その解を3次元自由境界値問題に帰着させることで求めた。ファイナンスの問題としてはより現実的な興味深い対象にアプローチしている:成長率最大ファンドは実務的にも大きな関心を持たれている。ただしファンド構成に必要な所謂シャープ比の値は市場パラメータの推定から決定されないといけない。この部分にベイズ推定量(確率フィルタリング)を用いている。一方、数学的にも、3次元の自由境界値問題の解析は、既存の2次元の自由境界値問題(例えばBlack-Scholes株価モデルに対するロシアンオプションの問題)に関する研究の拡張となっており興味深い。(宮田英明氏との共同研究。論文準備中。) 3.確率フィルタリングの手法を用い、Information-based asset pricing(情報ベース資産価格付け)の理論を一般化した。さらに有限次元フィルタリングの例を用い、具体的な計算や例の提示をいくつか行っている。既存の研究を枠組みとして大きく拡張・一般化しているため、更に多様な応用研究が今後考察されると期待される。(Andrea Macrina氏との共同研究。論文準備中。)
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Research Products
(4 results)