2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次元の力学系に伴うペロンフロベニウス作用素と疑似乱数に関する研究
Project/Area Number |
20540139
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森 真 日本大学, 文理学部, 教授 (60092532)
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Keywords | エルゴート / 議事乱数 / スペクトル / 力学系 |
Research Abstract |
力学系のエルゴード性は,対応するペロンフロベニウス作用素のスペクトルにより決定されることはよく知られている.1次元の力学系では,そのスペクトルは再生方程式を用いて一般的に決定することができる.このことを用いて,拡張的な力学系から,ファンデルコープト列と名付けた疑似乱数を構成するとともに,そのディスクレパンシーを決定すること方法を開発してきた. 高次元の場合には,対応するペロンフロベニウス作用素のスペクトルにおいてはエッセンシャルスペクトル半径が通常の力学系では望ましい値よりも大きくなり,一般論を用いて,ファンデルコープト列のディスクレパンシーの決定が行えないばかりでなく,良好な疑似乱数を作ることも困難になることがわかってきた.今回の研究ではエッセンシャルスペクトルが最小となる具体的な高次元の力学系を代数的な方法で構築し,それを用いて,一般の次元での最小のディスクレパンシーをもつファンデルコープト列を構成することに成功した.これは数値積分など応用数学にも広く有効なものであると思われる
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度によい性質をもつ力学系の構成に成功した.これを発展させていけば,容易ではないとは思われるが,一般論へのめどが立つものと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
ベルヌーイ型の力学系を構成することに成功したので,次はマルコフ型の力学系を構成してみたいと考えている.1次元の場合には,マルコフ型でも最小のディスクレパンシーをもったので,高次元でも同様の結果が成り立つことが予想される.より一般的な場合の力学系の研究への手がかりが得られることを期待している.
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Research Products
(5 results)