2012 Fiscal Year Annual Research Report
高次元の力学系に伴うペロンフロベニウス作用素と疑似乱数に関する研究
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20540139
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森 真 日本大学, 文理学部, 教授 (60092532)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | エルゴード理論 / 疑似乱数 |
Research Abstract |
力学系のエルゴード性は対応するペロン・フロベニウス作用素のスペクトルによって決定される.1次元の場合には,そのスペクトルは再生方程式を用いた私の方法でほぼ完全に解決され,さらに,それを用いることで,良好な疑似乱数の生成も行うことができた.しかし,高次元の場合には,形式的には1次元と同様の議論ができるものの,その基本的スペクトル半径すら求めることは容易ではない.実際,基本的スペクトル半径のある意味での最小値は知られているが,これまでに知られている高次元の力学系の基本的スペクトル半径ではいくつかの例外を除いては,具体的に求めることも困難であり,さらにそれらの基本的スペクトル半径はその最小値よりは大きいと思われる.力学系としてはできるだけ小さな基本的スペクトル半径をもつものは,エルゴード的に良好な性質を持つことが知られており,どのような力学系がその性質をもつかは重要な問題である. そこで,代数的な方法を用いてその最小のスペクトル半径をもつ力学系の構築を行った.さらに,2番目に絶対値で大きなスペクトルにより,力学系の減少割合が特徴づけられること,さらに,力学系の減少割合が力学系から生成される疑似乱数の性質を特徴づけることがわかっている.このことをもちいて,この力学系から,良好な性質をもつ疑似乱数の生成を行った. さらに,ペロン・フロベニウス作用素の定義域は,有界変動関数全体に制限するのが自然と考えら,その基本的スペクトル半径の計算の研究を進めてきたが,1次元の場合に限るが,マルコフ型の場合にその定義域を制限することで,基本的スペクトル半径を小さくすることができることを見いだした.この研究は高次元の場合も含め,基本的スペクトル半径の基礎的な研究へとつながると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)